VIOLIN EXPLOSION 2008
『東京・江戸川区発、最先端ヴァイオリンミュージック!日本を代表するポピュラーヴァイオリニスト中西俊博、太田惠資に新進気鋭の喜多直毅を加えた初の顔あわせとなるステージ。』VIOLIN EXPLOSION 2008というコンサートに行ってきました。
●出演:
中西俊博(ヴァイオリン)
太田惠資(ヴァイオリン)
喜多直毅(ヴァイオリン)
竹中俊二(ギター)
佐藤芳明(アコーディオン)
鳥越啓介(ベース)
海沼正利(パーカッション)
若手のバックメンバーも何気に実力のある方々で、佐藤氏を除く3名は中西俊博の爆裂クインテットのメンバーですし、各々別々に喜多直毅や太田惠資諸氏との演奏経験があるようです。
コンサートは10分の休憩を挟んだ2部構成で、1部はそれぞれのヴィオリニストが交代でメインを務め、2部は2人でとか3人での共演といった形態での演奏でした。
太田さんの出演するコンサートはZabadakを初めとして何度か見たことがあり、風貌もしゃべりも独特なのは知っていたのですが今回もなかなかやってくれました。彼が出てきてしゃべるだけで会場は大爆笑。でも実は演奏自体はとても繊細だったりするのです。ほんとこの人最高!今回も得意とするアラブ系のジャズ・ロックっぽい演奏がメインでした。どの曲か忘れましたがいつものコーラン・ボーカルに加えてホーミーまで披露。ホーミー聴くのはアルティのボーカル以来でした。凄い技です。
喜多さん、中西さんは生で観るのは初めてでした。喜多さんは3人の中では72年生まれなので56年生まれの中西さん、太田さんとはひと回り以上年下のかたです。タンゴ/ハイパータンゴの演奏で注目されているようですが今回の演奏は非常にアグレッシブなジャズ・ロックっぽい演奏でした。先輩達に負けない熱い演奏を聴かせてくれました。
そして中西さん、こちらはケルト、ボサノバ、ファンク・フュージョンとバラエティにとんだ演奏でしたね。キャリアも長いですし何でもできる感じのかたです。なんとなくニュー・エイジ・ミュージックを演奏するかたのイメージだったのですが速いパッセージも軽くこなしますしかなり自分の中でのイメージが変わりました。
2部のほうは有名なジャズ・ヴィオリニスト、ステファン・グラッペリの演奏したナンバーとインプロヴィゼーションやユニゾンの多い太田さんの曲がメインといった感じでした。コンサートは全体的に激しい演奏が多かったので癒し系の中西俊博のイメージで観に来られたかたはきっと唖然とされたことでしょうね。前に座っていらしたおばさまがたは6-70代と思われましたが大丈夫だったでしょうか???
セットリストです。終演後に会場に貼りだされていましたが加筆訂正してあります。カッコ内は作者名です。
【1部】
①「板橋区」(喜多直毅)
②「黒いカマキリ~Santateresa Negra」(喜多直毅)
③ソロパフォーマンス~「もずく酢 (Mozqus)」(太田惠資)
④「American Wake」(Bill Whelan)
⑤「Estate」(Bruno Martino)
⑥「Some Skunk Funk」(Randy Brecker)
【2部】
⑦「Women's Dance」(Milcho Leviev)
⑧「Nuages」(Django Reinhardt)
~「Daphne」(Stéphane Grappelli/Django Reinhardt)
⑨「マサラスコープ(Masarascope)」(太田惠資)
⑩「太田のトルコ(Ota No Turk)」(太田惠資)
~「Luki」(John McLaughlin)
~「Utviklingssang」(Carla Bley)
~「太田のトルコ(Ota No Turk)」reprise
アンコール「Tiger Rag」
(Harry DaCosta/Eddie Edwards/James LaRocca/Henry Ragas/Tony Sbarbaro/Larry Shields)
各曲目についてオリジナルCD音源とかを調べて見ました。
①「板橋区」は喜多直樹の「VIOHAZARD」というアルバムに入っています。(こちらで試聴できます。でも印象ずいぶん違いますね。)
②「黒いカマキリ~Santateresa Negra」は見つけられませんでした。
③「もずく酢」は太田さんの参加している「ARABINDIA」というバンドの同名アルバムに「Mozqus」のタイトルで収められています。iTune storeで試聴できます。7曲目「Violin Taqsim」と8曲目「Mozqus」が太田さんの作品。
④「American Wake」はケルト曲でビル・ウィーランの「リバー・ダンス」からですね。
Riverdance American Wake
⑤「Estate(エスターテ)」は日本語にすると「夏」という意味。1960年にイタリアの作曲家ブルーノ・マルティーノによって作られた曲。1977年にジョアン・ジルベルトがボサノバのアレンジで「Amoroso」に収めたことで有名になりました。ジャズ・スタンダード曲として多数のミュージシャンに演奏されています。
Bruno Martino LIVE - "E la chiamano estate"
Joao Gilberto - Estate
⑥クロスオーバー・フュージョンの名曲「Some Skunk Funk」は、ブレッカー・ブラザーズのランディ・ブレッカー作曲で、彼らの1stアルバムと4枚目の「ヘヴィ・メタル・ビーバップ」に収められています。正直アコースティックバンドでこんな曲やるとは思いませんでした。ギターもエレアコだし、ベースもアコースティックですからね。
Brecker Brothers Live In Barcelona - Some Skunk Funk
中西俊博 Some Skunk Funk
⑦「Women's Dance」は、ブルガリア出身のピアニスト、ミルチョ・レビエフの作品で、アルバム「ブルガリアン・ピアノ・ブルース」に収められています。
⑧の2曲「Nuages」「Daphne」とアンコール曲「Tiger Rag」はステファン・グラッペリに関連する作品。オリジナルは1930年代ですが盟友ジャンゴ・ラインハルトの死後もグラッペリはこれらの曲を数回録音しているようです。いろんなアルバムに入っていますが、例えばグラッペリの「Feeling + Finesse = Jazz」で「Nuages」「Daphne」、ジャンゴの「Django Reinhardt First Recordings!」で「Tiger Rag」を試聴できます。
Stéphane Grappelli "Nuages" + "Daphne"
Stéphane Grappelli & Didier Lockwood "Tiger Rag"
中西俊博&寺井尚子 "Tiger Rag"
⑨⑩の「マサラスコープ」と「太田のトルコ」の2曲は太田さんの参加しているバンド「MASARA」の1stアルバム「MASARASCOPE」に収められています。特に「太田のトルコ」という曲は「だ~めだ、だめだ~この人魚は死んでいる、死んだ人魚にゃ夢が無いよ。...みたって見られるものか~エックス光線見られるものか~」というすさまじい歌詞で始まる超絶悶絶曲。
⑩の途中に挟まる「Luki」はマハビシュヌ・オーケストラのジョン・マクラフリンの曲でシャクティのアルバム「Remember Shakti -Saturday Night In Bombay」に収められています。「Utviklingssang」はアヴァンギャルド・ジャズ・ピアニスト、カーラ・ブレイの「Social Studies」、「4x4」に収録されている曲です。
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コメント
詳しい御説明ありがとうございます。
投稿: tokunaga | 2008年4月14日 (月) 23時27分
リンクを張らせていただくと共に、トラックバックを送らせていただきました。
遅ればせながら、ご来場ありがとうございました。
投稿: tokunaga | 2008年4月15日 (火) 17時40分
tokunaga様
この度はコンサートの企画お疲れ様でした。
いろいろ紆余曲折あったかと思います。
とても楽しませていただきました。
2009年は是非壷井さん、もしくは金子飛鳥さんも加えて一大フェスにしていただき、それを観にいくのが私の夢です。
拙いBlogにコメント及びトラックバックいただきどうもありがとうございました。
投稿: マルコーニ(烏天狗) | 2008年4月16日 (水) 01時34分
こちらにも失礼します。
沢山のyoutube画像、凄いですね!
私も次回は壷井さんの参加を期待しています。
喜多さんの「黒いカマキリ」ですが、喜多さん参加のプログレタンゴバンドSalle Gaveauの6月発売予定の新譜に収録されているそうです。
投稿: Show太 | 2008年4月16日 (水) 13時52分
Show太様
書き込みどうもありがとうございます。
「黒いカマキリ」は新曲なのですね。
情報の提供感謝です。
プログレタンゴバンドという呼び方がすごい!
投稿: マルコーニ(烏天狗) | 2008年4月16日 (水) 23時19分
はじめまして、瀬川と申します。
私もライブに入っていたのですが、
曲目の詳細な解説に驚きました。
リンクとトラックバックを送らせて頂きましたが、よろしければ承認よろしくお願いいたします。
投稿: segawa | 2008年4月17日 (木) 01時49分
瀬川様
コメントどうもありがとうございます。
そちらのブログにも寄らせていただきました。
私のブログとは違い当日のコンサートの面白さが伝わってきました。
小説家のかたならではの文章と感嘆致します。
リンク、トラックバック、こちらこそどうぞよろしくお願いいたします。
投稿: マルコーニ(烏天狗) | 2008年4月17日 (木) 07時56分
マルさん、素敵なコンサートを紹介してくれてどうもありがとう。しかも、この詳細なレポート
身体にしみ込んで眠っていたあの夜の何かが、むずむずと疼きだしましたよ。
です。
このコンサートをきっかけに、また世界が広がっていくような気がします。マルさんのこの日記が、その手がかりをたくさん示してくれているので、ホントありがたい
投稿: べんしま | 2008年4月20日 (日) 10時23分
べんしまさん、コメントありがとう。
もう1週間も経ってしまいました。
また何かあったらお誘いしますね。
バンド・オフに向けてプログレ班でも何か考えません?
投稿: マルコーニ(烏天狗) | 2008年4月21日 (月) 22時04分